玄天 第一巻 白虎 (White Tiger)
『世界障害報告書』のお話
投稿日時:2013/09/25(水) 10:28
この夏、たまっていた本も読みましたが、新たな本も訳しました。
世界保健機関と世界銀行による、”World Report on Disability 2011”の日本語版、
『世界障害報告書』(明石書店)です。
2年前に翻訳のお話をいただいてから、だいぶ時間がたってしまいましたが、ようやく刊行され、ほっとしています。
『世界障害報告書』は『白虎』とは違い、大量のデータ、文献を確認し、障害のある人のおかれた状況を十分理解したうえで訳さなければならないものでした。
報告書の作成には、世界各地から380人近くがかかわっており、各章の執筆者も複数いて、その英語力もさまざま。ネイティブスピーカーばかりではありません。
報告書のもととなっている資料も、英語とは限りません。
英語以外の言語については、ときには翻訳サイトも利用しながら根気よく確認し、
専門家だけでなく、日常生活で障害のある人にかかわっている家族や介助者、支援者など一般の人々にとっても、
少しでも読みやすい、わかりやすい日本語にしたいと、
難しい作業をひたすら続けてきましたが、
一人ではくじけそうになることもありました。
監訳者の長瀬修先生には、本当にお世話になりました。
オリジナルの編者の方々に、わからない部分を直接問い合わせていただき、多くの疑問が解決できました。
その過程で、リサーチ力を高く評価していただいたことは、今後この仕事を続けていくうえでの大きな励みとなりました。
翻訳するときには、言葉だけでなく、概念も訳すというのは、文芸でも実務でも同じ。
とりわけ実務では、書かれている内容を、執筆者と同じレベルで理解していなければ、本当の意味で訳すことはできません。
この分野の翻訳にかかわるようになって10年。
今回、この報告書を訳す機会に恵まれたのは、10年間の集大成をするようにという、天からのメッセージだったのかもしれません。その意味でも、このめぐりあわせに感謝しています。
内容もさることながら、もっと大変だったのは、索引作成の作業です。
これまで、いろいろな文献で、何の気なしに利用してきた索引。
今回、索引を訳す、ということを初めて経験しましたが、
オリジナルの英語を訳す→英語が記載されているページをオリジナルで確認する→日本語版で日本語訳と該当ページを確認する
この作業を延々と続けていくわけで、
しかも、今回は語句そのものではなく、その内容や概念を扱ったページも、原著の索引に該当ページとして記載されていたので、単に語句検索をかければ済む、ということでもなく、文字通り、一語一語、一頁一頁、人の手で確認していったのです。
原著では、索引担当者がいたようですが、日本語版は、翻訳者と編集担当者で作業するしかありません。
夜中まで、何度もチェックを重ね、なんとか締め切りに間に合いましたが、
読者の方には、お気づきの点などあるのではないかと案じております。
本当に、今回もいろいろと勉強になりました。
『白虎』のときもそうでしたが、どんな本を作るときでも、出版社の編集部の方々、印刷会社の方々など、関係者の皆様には、ただただ感謝の言葉しかありません。この場をお借りしてもう一度お礼申し上げます。どうもありがとうございました。
最後に、『白虎』も500ページ近くありましたし、今回の『世界障害報告書』も567ページ、ということで、一言。
長編なら任せて下さい! 決して途切れることのない気力と努力とリサーチ力で、やり遂げる自信があります!
世界保健機関と世界銀行による、”World Report on Disability 2011”の日本語版、
『世界障害報告書』(明石書店)です。
2年前に翻訳のお話をいただいてから、だいぶ時間がたってしまいましたが、ようやく刊行され、ほっとしています。
『世界障害報告書』は『白虎』とは違い、大量のデータ、文献を確認し、障害のある人のおかれた状況を十分理解したうえで訳さなければならないものでした。
報告書の作成には、世界各地から380人近くがかかわっており、各章の執筆者も複数いて、その英語力もさまざま。ネイティブスピーカーばかりではありません。
報告書のもととなっている資料も、英語とは限りません。
英語以外の言語については、ときには翻訳サイトも利用しながら根気よく確認し、
専門家だけでなく、日常生活で障害のある人にかかわっている家族や介助者、支援者など一般の人々にとっても、
少しでも読みやすい、わかりやすい日本語にしたいと、
難しい作業をひたすら続けてきましたが、
一人ではくじけそうになることもありました。
監訳者の長瀬修先生には、本当にお世話になりました。
オリジナルの編者の方々に、わからない部分を直接問い合わせていただき、多くの疑問が解決できました。
その過程で、リサーチ力を高く評価していただいたことは、今後この仕事を続けていくうえでの大きな励みとなりました。
翻訳するときには、言葉だけでなく、概念も訳すというのは、文芸でも実務でも同じ。
とりわけ実務では、書かれている内容を、執筆者と同じレベルで理解していなければ、本当の意味で訳すことはできません。
この分野の翻訳にかかわるようになって10年。
今回、この報告書を訳す機会に恵まれたのは、10年間の集大成をするようにという、天からのメッセージだったのかもしれません。その意味でも、このめぐりあわせに感謝しています。
内容もさることながら、もっと大変だったのは、索引作成の作業です。
これまで、いろいろな文献で、何の気なしに利用してきた索引。
今回、索引を訳す、ということを初めて経験しましたが、
オリジナルの英語を訳す→英語が記載されているページをオリジナルで確認する→日本語版で日本語訳と該当ページを確認する
この作業を延々と続けていくわけで、
しかも、今回は語句そのものではなく、その内容や概念を扱ったページも、原著の索引に該当ページとして記載されていたので、単に語句検索をかければ済む、ということでもなく、文字通り、一語一語、一頁一頁、人の手で確認していったのです。
原著では、索引担当者がいたようですが、日本語版は、翻訳者と編集担当者で作業するしかありません。
夜中まで、何度もチェックを重ね、なんとか締め切りに間に合いましたが、
読者の方には、お気づきの点などあるのではないかと案じております。
本当に、今回もいろいろと勉強になりました。
『白虎』のときもそうでしたが、どんな本を作るときでも、出版社の編集部の方々、印刷会社の方々など、関係者の皆様には、ただただ感謝の言葉しかありません。この場をお借りしてもう一度お礼申し上げます。どうもありがとうございました。
最後に、『白虎』も500ページ近くありましたし、今回の『世界障害報告書』も567ページ、ということで、一言。
長編なら任せて下さい! 決して途切れることのない気力と努力とリサーチ力で、やり遂げる自信があります!
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名前: 石川 ミカ
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