またまた図書館から本を借りて読みました。
今回は、森村誠一『新選組』。上下２巻に分かれていて、けっこう分量が多いです。
近藤勇や土方歳三の幼少時代から描かれており、試衛館に次々と後の新選組メンバーが集まってくる部分は、大河ドラマ『新選組！』を彷彿とさせるものがあり、ワクワクする感じでした。
ただ、新選組が結成されてかなり早い段階で、土方さんと山南さんの気持ちがすれ違ってきたように描かれているのは、ちょっと残念。
土方さんが、切腹のときまで山南さんを思いやっていた大河ドラマとは大違いですね。
この小説では、函館で新選組隊長を務めた相馬主計（かずえ）に意外な人物像が与えられています。
ある理由から、新選組に恨みを持ち、復讐のために入隊するのです。
実際の相馬さんは、あの世で「そんなことなーい」と言っているかもしれませんが（笑）
あと、沖田総司が植木屋平五郎宅で療養しているとき、黒猫を斬ろうとしてついに斬れなかったというエピソードがありますが、
この小説では、総司が可愛がっている子猫を、黒猫が襲って怪我を負わせたので、総司が仇を討つためこの黒猫を斬ろうとしたことになっています。
この設定はいいなと思ったのですが、その後の展開がびっくりでした(＠_＠;)
ネタばれになるので、これ以上は書けません；；　ちょっと怪談話っぽい！？
最後は、函館戦争後に生き残った隊士たちの後日談もしっかり語られています。
この小説は、新選組を中心に幕末という激動の時代を余すところなく描き込んであって、勉強にもなり、読みごたえがありました。