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新選組(Shinsengumi)

『幕末銃姫伝』

投稿日時:2015/08/21(金) 15:08

以前、藤本ひとみ著『維新銃姫伝』の感想を書いたことがありますが、その前作『幕末銃姫伝』もちゃんと図書館にあったので、かなり遅ればせながら、借りてきて読みました。
主人公の山本八重が12歳の頃から、会津戦争の終わりまでが描かれています。
裁縫など苦手で、女らしいことが全くできない八重のとりえといえば、力持ちであること。
そんな八重に、尊敬する兄の覚馬が「おまえ、砲をやれ」と言ってくれたことから、八重は銃砲の扱いの習得に専念します。
ただ、感想として書きたいことがありすぎてまとまりがつかなくなりそうなので、新選組関係のことを取り上げて語ろうかと・・・。
会津藩主松平容保が京都守護職に任命されたことで、山本覚馬も京都へ同行します。
京都といえば、新選組。
覚馬が土方歳三と語り合う場面が好きです。
覚馬は、新選組のことを単に「剣を頼みに立身出世をめざして集まってきた浪士や農民たちの集団」ととらえていたのですが、
「自分たちは毎日、市中見回りに駆り出されているが、それだけのためにここに来たわけではない。幕府と朝廷を1つとし、公武合体を図って国を安定させたい。そのために命をかけたい」
という土方の想いを聞き、覚馬は新選組に対する認識を改めるのでした。
ほかに、覚馬は斎藤一とも交流します。
覚馬は京都に洋学所を作るのですが、斎藤も学びたいということで、洋学所に通うことになります。
このあたりは、創作かなと思います。
でも、後の会津戦争のときに、斎藤は覚馬先生にお世話になったということで、会津のために戦う決意をするのです。
洋学所の件は、斎藤が近藤や土方と離れて会津へ向かうための伏線だったのですね。見事だなあと思います。
ちなみに、覚馬が京都へ行ってからは、八重のいる会津の場面と、京都の場面が交互に描かれています。
覚馬のこともかなり詳しく描かれているので、八重と覚馬が2人とも主人公と言ってもいいかもしれません。

ネタばれになるので詳しく書けませんが、終章はホッとさせてくれます。

 

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