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新選組(Shinsengumi)

『新選組颯爽録』

投稿日時:2017/03/06(月) 12:12

久しぶりの更新ですみません。
門井慶喜(ナイスなお名前)『新選組颯爽録』を読みました。
司馬遼太郎『新選組血風録』を彷彿とさせる短編集です。
お馴染みの幹部隊士にスポットを当てた話もあれば、馬術師範の安富才助、文学師範の尾形俊太郎といった、あまり小説で主役にならない隊士にスポットを当てた話もあります。
「よわむし歳三」は、多摩時代の土方さんの話から始まります。土方家の家伝薬「石田散薬」の原料である牛革草を、土方さんが村人たちをうまく指揮して収穫するシーンが出てきて、新鮮でした。
「ざんこく総司」(というタイトルですが、ここで描かれている総司にさほど残虐性はありません)では、山南さんがもう1人の主役と言っていいでしょう。岩城升屋で山南さんが賊と戦って大活躍するシーンがじっくり描かれていて、山南ファン必見です。この話でも、総司と山南さんは良好な関係を築いています。実は、岩城升屋事件で山南さんは腕を負傷し、それが元で剣の腕が鈍ってくるのです。その姿に、総司は労咳を抱えて隊務に支障が出てきた自分の姿を重ねるのでした。そして、大河ドラマ『新選組!』同様、最後の山南さんの切腹シーンは胸を打つものでした。

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